2020年05月11日

家でヴァイオリンを!?

皆さん、こんにちは。
緊急事態宣言が出されてから、生活が一変したという方も多いことと思います。

私も、全てのヴァイオリン・レッスンをオンラインに切り替え、対面でしかレッスンが出来ない方については、暫くの間、レッスンをお休みしてもらっています。

10年くらい前から関わっている自閉症のMくんも、その一人。対面でのレッスンしか難しく、お休みとなっています。

彼は、家では一切ヴァイオリンを出さないし、弾かないので、私と会う時が唯一、彼にとってのヴァイオリンの時間だったんです。どうしているだろう?と気になっていたのですが、そんなある日、お母さまからメールをいただきました。

緊急事態宣言が出されてから、作業所の利用自粛要請もあり、自宅待機をされているとのこと。その代わりに、運動・家事・教養・文化などを考慮してプログラムを作り、毎日時間通りに実行しているとexclamationさすが、Mくんのお母さんやなーと思っていましたら、続きがありました。

「文化としては、バイオリンの練習を入れています。毎日予定の時間がくると、自発的に準備をして全曲を45分かけて練習しています。」とのこと。えーーーー???

このMくんとのレッスンの時間は、いわゆる一般的なレッスンとは異なり、その場を一緒に共有し、彼のリズムを尊重し、安全に見守りながら、ヴァイオリンに触れてもらう、そういう時間だと思っているので、家での練習はしなくてもいいと思っていました。お母さんが家で弾いてみるように促しても、やらないという話も聞いていましたし・・・。

ただ、この先、お母さんも年を取ってこられていますし、彼が施設に入ったりした後、ヴァイオリンはどうなるんだろうな・・?ということが、気にはなっていました。彼にとって、どうでもよいものであるならいいのですが、音楽が好きな彼なので、、、、もしヴァイオリンも気に入っていることの一つだったら、どうしていけばいいんだろうと思っていました。

この自粛生活で、作業所に行けず、いつも参加していた様々なイベントにも行けず、なぜ行けないのか、その意味もわからなくて、不安だったかもしれないなと思いますが、お母さんが作ってくれたプログラムに合わせて生活できるようになり、自発的にヴァイオリンを準備をして、弾くようになったなんて、、、ホントにすごいなーと感じています。

そして、家で弾いたことがなかった彼が、自発的に弾くようになった・・・もし、ヴァイオリンが気に入っているなら、この体験を思い出して、いずれ施設に入った後も、こんな風に自発的に出来るといいなと・・そんな風に思いました。

しかし、毎日45分も練習しているなんて!!自閉症の方は、繰り返すことを好むことも多いので、彼はレパートリーが多いのですよ。何ケ月も弾いたら飽きると言う人も多い中、彼は10年間弾き続けている曲もあるのですから!

脱帽です☆



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posted by YUKI HIRANO at 21:42| ヴァイオリン&フィドル

2011年01月15日

ヴァイオリンとフィドル

皆さん、こんにちはるんるん
ヴァイオリン/フィドル奏者の平野有希です。

「ヴァイオリンは知っていますが、フィドルはどのような楽器ですか?」
そのようなご質問を受けることがよくあります。
実は、フィドルとヴァイオリンは同じ楽器です。
では、どうして呼び方が違うのでしょうexclamation&question
クラシック音楽を演奏する時はヴァイオリン、そして
民族音楽を演奏する時はフィドルと呼ぶことが多いかと思いますが
単に愛称のようにフィドルと呼ぶこともあるかもしれません。

私はクラシックを最初に勉強しましたので
スタートはヴァイオリンから、ということになるでしょうか。
子どもの頃、コンサートを聴いて、この楽器をやりたいと思った時に
演奏をされていたのが、クラシックの先生だったのです。
その先生には、20年以上教えて頂きました。

ヴァイオリンとフィドルの音楽や世界は全く違うと言われますが
その先生はとても大きな方で、私が勤めていた音大を辞め
ROOTSというギターとのアイリッシュ・ユニットの活動を始めたいと言った時に
「音楽はどんな音楽も同じよ。あなたがやりたいことが見つかったんだったら、
それを一生懸命やりなさい。」と言って下さいました。
その言葉が今も励みになっています。

ROOTSは、アイリッシュやスコティッシュを演奏するユニットなので
本来であれば「フィドル」と呼ぶのでしょうが
今までは敢えてヴァイオリンと言ってきました。
一般的に、まだまだ「フィドル」という名称が広く浸透していなかったので
まずは「ヴァイオリン」と呼んだほうが
より幅広く多くの方に活動を知っていただけるのではないかと思ったからです。

そのことで、ヴァイオリンの演奏を生で聴いたことのない方達にも
ROOTSの活動を知っていただけることになり
それはとても嬉しいことではあったのですが
同時に、クラシック音楽を辞めたにも関わらず
いつまでも、クラシックの人がフィドルを片手間にやっているのでは?と
見えてしまうことに気がつきました。

そこで、これからは、ROOTSの主な活動においては
積極的に「フィドル」と呼んでいこうと思います。
小さな活動ですが、よろしくお願いいたします。


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posted by YUKI HIRANO at 00:00| ヴァイオリン&フィドル